学科1(計画)の”宿泊施設”について解説!重要ポイント2選!

一級建築士試験

ペディ君
ペディ君

どうも
一級建築士のペディです。

今回は、事務所に引き続き宿泊施設について解説!

商業施設の中で、あまり出題頻度は高くないですが、差をつけるために覚えておくと良いことがあるかも。

こんな方にオススメ!

・一級建築士試験を受験予定の方

・試験で他の人と差を付けたい方

・宿泊施設の計画方法について興味がある方

1.宿泊施設

重要ポイント!

① ホテルの客室の床面積
シングルルーム約18m程度(ビジネスホテル12~15m程度)
ツインルーム:約30m程度

② エレベーター1台当たりの客室数は、100~200室程度

ホテルの種類

一般に、施設の持つ機能上の特徴や立地条件等から、大き<4つに分類される。

種類定義
シティホテル・宿泊、宴会、料飲等を総合的に装備したホテル

・シティホテルのうち交通の結節点に立地するものを、ターミナルホテルということもある。
リゾートホテル観光地、保養地に立地するホテル
コミュニティホテル地域社会にあって宴会、料飲を主体とするホテル
ビジネスホテル宿泊機能主体のホテル
旅館和室容室を主体とする旅館施設

ホテルの機能構成

部門構成

ホテルの機能は、宿泊の機能を担う客室部門と、それ以外の機能のポディアム部門に大別できる。

ポディアム部門は、パブリック部門と、サービス部門、その他(機械室等)の3部門によって構成される。

動線の分離

動線は、客用動線、サービス動線、避難動線の三つである。

客用動線に対しては、客を目的の場所へ的確に導く明瞭な動線計画とすることが、ゆとりと安心感を与えるばかりでなく、防災計画上も好ましい。

サービス動線に対しては、省力化・効率化を図り、サービス機能の向上、将来の保守維持管理にも配慮した動線計画とすることが望ましい。

また、客とサービスの動線分離は、ホテル計画全体にわたっての必須条件である。
そのため、客と従業員の動線分離ができるように出入口を分ける計画とする。

また、災害時の避難動線は、特に重要であるので平面計画を簡明にすることが望ましい。

ホテルの面積構成

ホテル種別ごとの客室部門構成比は、シティホテルが約45~50%程度

その他の機能をポディアム部門に適宜配置するのに対して、料飲・宴会等のパブリック部門の充実を図るコミュニティホテルは約30~35%前後

徹底的な高効率化によってサービス部門の集約を図るビジネスホテルでは70%強と、ホテル種別ごとの特徴が顕著に現れている。

客室部門の面積割合は、ビジネスホテル、シティホテル・リゾートホテル、コミュニティホテルの順に低くなり、パブリック部門は、その順に高くなる。

客室基準階の平面計画は、様々な与条件のもとに決定されるが、特に検証を必要とするのが、有効比である。

大規模シティホテルの基準階における客室部分の比率は65~75%程度である。

客室の配置

シティホテルは、客室面積を多くとる必要から、中廊下または口字型廊下の形式をとる場合が多い。したがって、採光が不十分な客室ができることもある。
リゾートホテルは、眺望を重視するために片廊下式になる場合が多い。
低層の公共部門の奥行きは、客室部より大きい基壇型となる場合が多い。
客室の配置は、建物の平面形や外形を決定する要素となる

客室数の構成

ホテルの規模は、客の収容人数をもとにして客室数から決められる。

客室1室当たりの延べ面積は、シティホテル・リゾートホテルで100~150mコミュニティホテルで120~180m程度である。

ビジネスホテルは1室当たり50m前後で、宿泊機能に特化しており、ポディアム部門のコンパクト化が求められている。

客室の収容人員

シティホテルは、2人客と1人客が全体宿泊客の半数以上を占めるのでツインルームが主体となりつつある。

観光地のホテルは4人客が最も多く、3~5人容で約半数以上を占める。
また季節、曜日変動が大きいので和室および和洋室を多く設けて対応している場合が多い。

各部計画

客室

客室の床面積

シングルルーム約18m(ビジネスホテル約12~15m)、ダブルルーム約22m、ツインルーム約30m程度のものが多い。

付属浴室(洗面所、便所兼用)は、3.0~4.5m程度であり、ユニット化されている。バイプシャフトの都合上、隣接して配置する。

基準階の階高・天井高

基準階の階高は2.8~3.6m程度、天井高は2.4~2.8m程度である。

階高を低く抑えるためには、集中PSよりも、排水横枝管が短くなるように分散させたPSを採用した方が良い。

ロビー・ラウンジ

ロビー

玄関ホールや階段などに接している広間であり、利用者が滞留したり、来訪客との面接の場である。フロント事務室に接して設けられる。

また、食堂などへの連絡日ともなるので通路的要素も大きい。
面積は、収容人員当たり0.5m/人程度である。座席数は宿泊定員の35%程度あればよい。

ラウンジ

休憩用の広い廊下であり、ロビーとの区別は明確でないが、通路的要素は少ないので、落ち着きのある空間となる。

面積は、収容人員当たり0.8~1.0m/人程度である。

フロント事務室

接客のほかにロビーの管理も行う。

客室部門と管理部門の動線を区分する重要な接点となるため、玄関の近くに配置し、宿泊客用のエレベーター、階段などの人の動きがわかる場所が望ましい。

ただし、カウンターの応対者側の床面レベルを、来訪者側の床面よりも高くすると、来訪者の側が見下ろされることになり、接客上は不適当である。

フロントカウンターの高さ

一般用の高さは90~100cm程度、車椅子使用者用の高さは70~75cm程度である。

食堂・厨房

料飲施設の1人当たりの面積は、施設の提供する内容により差があるが、ホテルのレストランは、ゆとりのある面積が求められ、一般に3m程度でめる。カフェテリア等のコーヒーショップは、効率のよい座席配置とすることが求められる。

厨房の面積も、施設の提供する内容によって異なった面積が必要とされるが、一般に、料飲・宴会部門の収益部門面積に対する割合は、30~40%程度である。

宴会場(パンケットルーム)

宿泊客との動線を区分し、一般に、客室階下部を避けて配置されることが多く、平面形状は、間口:奥行=2:1程度必要である。
宴会場の面積は、一般に、1席当たりの面積を1.5~2.5mとして算定する。

大浴場

洗い場の寸法は1人当たり1m必要であり、身体ふきも直径1mのスペースが必要である。

多人数用での洗い場の通路は、湯に入る前の準備動作を考えて80cm以上確保するのが望ましい。

洗い場のカランの間隔は、湯水を汲むだけでは70cm以上、その前に腰を下ろして洗う場合は90~100cm程度必要である。

エレベーター計画

エレベーターの利用ピークは、夕方のチェックイン時に発生する。

大規模なシティホテルの客用エレベーター1台当たりの客室数は、100室~200室程度である。
なお、サービス用は、客用エレベーター台数の1/3程度見込んでいる。

2.過去問

  • H26 商業建築等に関するの記述のうち、最も不適当なものはどれか。
    1. 20階建ての自社専用の事務所ビルにおける乗用エレベーターの台数については、エレベーター利用のピーク時の5分間集中率を在館人数の25%として算出した。
    2. 大規模商業店舗の計画において、地下階に設ける駐車場の各間に普通自動車が並列に3台駐車できるように、柱スパンを7m✕7mと設定した。
    3. 基準階の平面が25m✕20mの低層の事務所ビルの計画において、事務室の適切な奥行きを確保するために、偏心コアタイプを採用した。
    4. 宴会場を備えたシティホテル(客室数750室)の計画において、客室一室当たり100mとして延べ面積の検討を行った。
答えと解説 ※▶をクリック

答え 2

大規模商業店舗において、建物内に駐車場を設ける場合は、駐車場内の車の配置と柱スパンとの関係が重要となる。
自動車を並列に3台駐車する場合、柱スパンは、8~8.5mとすることが多く、設問のように7mスパンでは狭すぎる。

コメント

タイトルとURLをコピーしました