
どうも!一級建築士のペディです
医療施設と併せて出題される傾向にある高齢者施設!
似たような単語や用途が多いことに注意しつつ、介護か医療かを区別して覚えていこう。
医療施設については、こちら!
https://yyuuzz.com/2025/05/06/学科ⅰ計画)-医療施設について/
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目次
高齢者施設
1)主な高齢者の分類
老人福祉法 | 介護保険法 |
・特別養護老人ホーム ・養護老人ホーム ・軽費老人ホーム(ケアハウス) ・老人福祉センター(特A型・A・B型) ・老人介護支援センター ・デイサービスセンター ・老人短期入所施設 (ショートステイホーム) | ・介護老人保健施設 ・認知症高齢者グループホーム ・介護老人福祉施設 =特別養護老人ホーム |
重要ポイント
特別養護老人ホーム:
・65歳以上を対象に、身体上もしくは精神上著しい障害があるため、常時介護を必要とする人で、居宅において適切な介護を受けることが困難な人を入所させる施設である。
・4人室主体であった特別養護老人ホームを、個室ユニット化したユニット型特別養護老人ホームが注目されている。
軽費老人ホーム(ケアハウス):
60歳以上で、家庭環境、住宅事情等の理由により、自宅で生活することが困難な人が、低額な料金で利用できる施設である。
有料老人ホーム:
民間主体の運営で、入浴、排せつ、もしくは食事の介護、食事の提供、またはその他の日常生活上必要な便宜の供与をする事業を行う施設で、特別養護老人ホームに比べ高額。
介護老人保健施設:
入院治療は必要でないが、機能訓練や看護・介護が必要な要介護高齢者に対して、自立を支援し家庭への復帰を目指して、医療ケアと日常の生活サービスを合わせて提供する施設である。
認知症高齢者グループホーム:
少人数による共同生活を営むことに支障のない認知症高齢者が、5〜9人の小規模な生活の場において、食事の支度、掃除、洗濯等を介護従業者と共同で行い、家庭的で落ち着いた雰囲気の中で、生活を送るための日常生活上のサービスを提供する居住・ケアの形態である。
特別養護老人ホーム
・65歳以上を対象とし、身体上もしくは精神上著しい障害があるため、常時介護を必要とする人で、居宅において適切な介護を受けることが困難な人を入所させ、入浴、排泄、食事の介護、機能訓練等のサービスを提供する施設である。
・4人室主体であった特別養護老人ホームを、個室ユニット化したユニット型特別養護老人ホームが注目されている。
・介護単位を数人程度の小規模にし、共用空間の分散配置や複数の居室のユニット化を図り、施設をグループホームのような家庭的なスケールに落とすよう心がけることが重要である。
① 共同生活室
ユニット型特別養護老人ホームの共同生活室は、いずれかのユニットに属するものとし、当該ユニットの入居者が交流し、共同で日常生活を営むための場所としてふさわしい形状を有するものでなければならない。
このために、他のユニットの入居者が、該共同生活室を通過することなく、施設内の他の場所に移動することができるように計画する。
② 洗面設備・便所
居室ごとに設けるか、又は共同生活室ごとに適当数設け、介護を必要とする者が使用するのに適したものとする。
介護老人保健施設
・入院治療は必要ではないが、機能訓練や看護・介護が必要な要介護高齢者に対して、自立を支援し家庭への復帰を目指して、医療ケアと日常の生活サービスを合わせて提供する施設である。
・2週間程度の短期入所(ショートステイ)、通所リハビリテーション(デイ・ケア)、認知症高齢者ナイト・ケアなどの在宅サービスの拠点としても重要な役割を果たしている。2005年の介護保険制度の見直しを受けて、プライバシーや家庭に近い居住環境に配慮したユニット型介護老人保健施設が制度化された。
・ユニット型介護老人保健施設の居室は、個室で10.65㎡/人以上、2人部屋で21.3㎡/人以上とする。
認知症高齢者グループホーム
・少人数による共同生活を営むことに支障のない認知症高齢者が、5人以上9人以下の小規模な生活の場において、食事の支度、掃除、洗濯等を介護従業者と共同で行い、家庭的で落ち着いた雰囲気の中で、入浴、排泄、食事の介護、機能訓練等を行うことにより、利用者の有する能力に応じ自立した生活が営めるように援助するサービスを提供する施設である。
・認知症高齢者グループホームの居室は、原則として個室とし、7.43㎡/人以上とする。
有料老人ホーム
・老人を入居させ、「入浴、排せつ若しくは食事の介護」、「食事の提供」、「洗濯、掃除等の家事」又は「健康管理」の少なくとも一つのサービスを提供する施設であって、老人福祉施設、認知症高齢者グループホームでないものをいう。一般に民間主体の運営であり、サービスに応じて「介護付き」、「住宅型」、「健康型」の3つのタイプがある。
・有料老人ホームの居室は、原則として個室とし、13㎡/人以上とする。
養護老人ホーム
65歳以上を対象とし、身体、精神、環境および経済的な理由により、自宅での生活が困難な高齢者が入所し、生活援助を受ける施設である。
軽費老人ホーム(ケアハウス)
・60歳以上で、身体機能の低下等により自立した日常生活を営むことについて不安があり、家族による援助を受けることが困難な高齢者が、食事の提供、入浴の準備等の日常生活上必要なサービスを低額な料金で受けることができる施設である。
・特別養護老人ホームや養護老人ホームと異なり、介護が必要になった場合には、在宅福祉・保健サービスを利用できる。
2)高齢者向け住宅・在宅サービス
重要ポイント
高齢者向け住宅・在宅サービス:
・シルバーハウジングは、日常生活上自立可能な高齢者を対象とした見守り付きの公的賃貸住宅
・LSA (生活援助員)の配置や緊急通報システムが設けられている。
サービス付き高齢者向け住宅
・60歳以上または要介護、要支援認定を受けている60歳未満の単身高齢者世帯、高齢者夫婦世帯等の居住の安定を確保するための賃貸等の住宅で、登録制度になっている。
・高齢者を支援するサービスの提供等に関して一定の基準を満たした住宅であり、状況把握サービスや生活相談サービス等の高齢者が日常生活を営むために必要な福祉サービスが受けられるため、介護が必要になってもある程度まで住み続けることができる住宅である。
サービス付き高齢者向け住宅の規模設備は、
① 各居住部分床面積は、原則25㎡以上
② 各居住部分に、台所、水洗便所、収納設備、洗面設備、浴室を完備。
③ 加齢対応構造基準を満たした住宅であること。
上記3つの規定がある。
シルバーハウジング
・60歳以上の単身または夫婦高齢者世帯で日常生活上自立可能な高齢者を対象とした見守り付きの公的賃貸住宅であり、高齢者が安心して暮らせるよう、概ね10~30世帯に1人のLSA (生活援助員)が配置される。
・高齢者の身体状況に配慮して、段差解消、手すりの設置などバリアフリー化するほかに、緊急通報システム(各住戸の浴室・便所・居室等に緊急通報ボタンを設置し、生活援助員が対応できる設備)を設置する。
3)通所型施設
重要ポイント
小規模多機能型居宅介護:
通所(デイサービス)を中心とし、随時の訪問や泊まりを組み合わせた介護サービスを提供する地域密着型サービスである。
通所介護(デイサービス)
・身体上又は精神上の障害により、日常生活を営むのに支障がある高齢者等に対し、入浴、排せつ、食事等の介護、機能訓練、介護方法の指導、生活等に関する相談及び助言、健康状態の確認等のサービスを、通所方式で提供する施設である。
・送迎用バスや日常生活動作(ADL)訓練等のサービスも提供する。
通所リハビリテーション(デイケア)
介護老人保健施設や病院・診療所に通い、日常生活の自立を助けるための理学療法、作業療法、その他のリハビリテーションを受けられる施設である。
短期入所生活介護(ショートステイ)
・高齢者等の介護者に代わって、特別養護老人ホーム等で短期間(数日~1週間程度)高齢者を預かる。高齢者の心身の機能の維持と高齢者の家族の身体的、精神的負担の軽減を図ることを目的としている。
・短期入所(ショートステイ)には、特別養護老人ホームなどに短期間入所して主に生活面の介助を受ける「短期入所生活介護」(一般的なショートステイ)と、介護老人保健施設や医療機関に短期間入所して医療面を伴う介護を受ける「短期入所療養介護」(医療型ショートステイ)の2種類がある。
小規模多機能型居宅介護
・在宅の高齢者が要介護状態になっても、住み慣れた地域で生活が継続できるように支援することを目的として、通所(デイサービス)を中心とし、随時の訪問や泊まりを組み合わせた介護サービスを提供する地域密着型サービスである。一つの事業所で複数の機能を提供する小規模多機能型居宅介護では、高齢者の介護度が上がり必要な支援が変わっても、利用する事業所を変更することなく、なじみの関係のなかで連続的な支援を受けることができる。
・宿泊室は、原則として個室とし、1室あたり7.43㎡以上確保する。
老人福祉センター
老人福祉法により定められている施設で、60歳以上を対象とし、低額な料金で、地域の高齢者の各種相談、健康の増進、教養講座、レクリエーション等のための便宜を図る通所施設である。
2)過去問出題
- R03 高齢者施設に関するの記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 認知症高齢者グループホームにおいて、家庭にできるだけ近い環境で生活できるように、
1ユニットの定員を8人とした。 - 小規模多機能型居宅介護施設において、要介護者が短期間宿泊するための宿泊室は個室とし、その床面積を、1室当たり10mとした。
- 二つのユニットを有する個室ユニットケア型特別養護老人ホームにおいて、隣接するユニットの共同生活室は共用として、二つのユニットが一体的に使えるようにした。
- 個室ユニットケア型特別養護老人ホームにおいて、入居者の個室内にトイレを設けない場合、排泄リズムの重なる場合が多いことを配慮し、個室からトイレに至る動線を短くし、トイレを個室3部屋に対し一つ以上設けた。
- 認知症高齢者グループホームにおいて、家庭にできるだけ近い環境で生活できるように、
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3
ユニット型特別養護老人ホームの共同生活室は、いずれかのユニットに属するものとし、当該ユニットの入居者が交流し、共同で日常生活を営むための場所としてふさわしい形状を有するものでなければならない。
このために、他のユニットの入居者が、当該共同生活室を通過することなく、施設内の他の場所に移動することができるように計画する。
したがって、共同生活室を2つのユニットが一体的に使えるという計画は不適当である。
- R06 社会福祉に関する用語の説明として、最も不適当なものは、次のうちどれか。
- インクルーシプ教育は、障害の有無にかかわらず学べる仕組みのことであり、カームダウンのためのデンやアルコーブを教室まわりに設けるなど、それぞれの状況に応じて環境を整える「合理的配慮」が必要となる。
- ジェントリフィケーションは、障害者が社会の中でごく普通に生活ができるように社会を整えることであり、在宅生活支援や地域に溶け込む小規模な就労支援の場などの整備が進められている。
- レスパイトケアは、在宅で介護をする者が一時的に介護から離れて休息等をとれるようにする支援のことであり、医療型短期入所(ショートステイ)は、一時預かりだけでなく、介護をする者・される者が家族以外の人々と交流できる場としても期待されている。
- 地域包括ケアシステムは、重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい容らしを続けることができるような仕組みのことであり、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供されるよう、地域の特性に応じた対応が重要である。
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2
設問の記述は、ノーマライゼーションに関する内容である。
ジェントリフィケーションは、主に低所得者層が居住していた地域に高所得者層が移り住むことで、建物の改修や都市の再開発が進み、結果として居住環境の質や不動産価値の向上が進む現象をいう。1960年代にロンドンで観察された現象を社会学者ルース・グラスが名付けたもので、「都市の富裕化現象」とも表現される。
しかし、ジェントリフィケーションは良い影響だけではない。不動産価格の高騰や住宅供給不足などの理由で、従来居住していた低所得者層が立ち退きを余儀なくされる問題も存在する
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