【応力計算】簡便法を用いた風荷重の算出方法を解説!

構造計算

例題

S造の風荷重P及び層せん断力Q₂,Q₁を簡便法で求めてみましょう。
(Vo=34m/s,Ce=1.0とします。)

解説

例題の答えは、こちらをクリック。

簡便法とは


まず層せん断力Qを求めるのに、必要な風荷重Pを求めていきます。

例題では、風荷重Pの求め方を簡便法に限定していますが、
そもそも簡便法とは、なんでしょうか。

簡便法とは、その名の通り風荷重Pを簡単に求めるための手法の一つです。

ですが、使用するには、建物高さHが15m以下という条件があります。

算出式

上記条件を満たしたときに限り

下式を用いて、風荷重Pを算出できます。

P=0.0004・Vo²・H(0.4乗)・Ce・C・A

P:風荷重,Vo:基準風速,H:建物高さ,Ce:環境係数,C:風力係数,A:受圧面積

基準風速Vo
「日本建築学会建築物荷重指針」に地域ごとに区切られて記載されているため、自分で算出することはありません。

例題は、Vo=34m/sです。

環境係数Ce
障害物係数ともいい、通常は、1.0とすることが多いです。

障害物がまだらなところは、Ce=1.4にしたりします。例題は、Ce=1.0です。

建物高さH
簡便法の場合、建物高さが10m以下であってもH=10mとします。

後述しますが、簡便法は、建物高さ15m以下の低層建築物にしか用いることができません。
例題は、建物高さ8mであるため、H=10mとなります。

風力係数C
「風上壁面の風力係数Cpe₁ー風下壁面の風力係数Cpe₂」で求められます。

例題では、Cpe₁=0.6,Cpe₂=-0.6となるため、C=0.6-(-0.6)=1.2とします。

受圧面積A
P₃の受圧面積A₃,P₂の受圧面積A₂をそれぞれ求めます。

A₃=2.0×10=20m²
A₂=4.0×10=40m²


となります。


以上ですべての係数が求まりました。

これらから求めた風荷重P₃,P₂は、

P₃=0.0004×34²×10(0.4乗)×1.0×1.2×20=27.9kN
P₂=0.0004×34²×10(0.4乗)×1.0×1.2×40=55.8kN

となるため
層せん断力Q₂,Q₁は、

Q₂=27.9kN
Q
=27.9+55.8=83.7kN

以上が、簡便法を用いた風荷重Pと層せん断力Qの算定方法でした。

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